今日はDAZNについて書きたいと思います。
こんな記事(DAZN契約でサッカー界が得たものと失ったもの)とか、
こんな記事(J配信トラブルで囁かれる最悪シナリオ)を見つけたので、
いろいろ言いたいことを言っていこうと思います。
DAZNの評価
DAZNに不満な点は正直いくつかあります。
まずフレームレートについてですね。
25fpsほどあるみたいですが、私の環境ではそこまであるとは思えません。
ネットワーク環境に依存する部分もあるのかもしれませんが、
スポーツを見る環境としてはもう少しレベルを上げる必要があると思います。
もう一つは、DAZNはキャッシュしないらしいです。
そのせいか頻繁に映像が止まります。
この2点については、他のライブストリーミングサービス、
例えばスカパー!オンデマンドやスポナビライブの方が上だと思います。
しかしながら、ちょっと違うんじゃないかなーという意見も散見されます。
DAZNへの批判1
冒頭で紹介した日刊スポーツの記事では、
「日本サッカーに貢献したある人」が、Jリーグを見れなくなった話をしています。
たとえインターネット会社と契約したとしても、その後のつなげ方が分からない。
つながったとしても、トラブルがあったり、
ボタンを押し間違えて操作方法が少しでも違ってたら、映らないかもしれないからね。
そしたらまた人に頼らないといけないし、迷惑はかけたくないから。
年とともに得るものもあるけれど、失うものもある。
できないものを無理にやろうとは思わなくなったよ
この話、
最初の「インターネット会社」を「スカパー!」に変えても成立しちゃうんですね。
アンテナの取り付け、配線、テレビ側の設定、
スカパー!による衛星放送でもやるべきことはたくさんあります。
要は、慣れてるか慣れていないかの違いだけなんです。
一般論として、
スカパー!への加入よりも動画配信サービスの利用の方がハードルが低いです。
今時インターネット環境のない家の方が珍しいし、
仮になくてもスマホ等で見ることもできます。
一方でスカパー!は、BS・CSアンテナの取り付けが必要です。
集合住宅ではBS・CSアンテナがないところも多く、
大家さんに許可を取って個人でつける必要があります(実際に私の家がそうです)。
このような状況において、
スカパー!じゃないと見ない!という人がどれだけいるでしょうか。
少なくともスカパー!に明らかな優位性を感じることはできません。
DAZNへの批判2
冒頭で紹介した東スポの記事では、
東スポお得意の「あるJリーグ実行委員」の話が載っています。
もともとネット配信では、競技普及やファン拡大につながらないと
クラブ側から反対というか慎重な意見が多く出ていた。
DAZNとの契約内容がある程度固まってからも
事務局は各クラブの理解を得るのにかなりの時間を要していたし、
疑問視するクラブは多かった
これ、本当にJリーグ関係者の話でしょうか。
この認識は間違っています。
確かに、ネット配信とスカパー!等の有料衛星放送では、
どちらが競技普及やファン拡大に優位か、結論は出せません。
しかし、今回のDAZNとの契約は、大きなメリットが3つあるのです。
メリットの1つ目は、皆様もご存知の通り、莫大な放映権料です。
10年総額2100億円という金額は従来の4〜5倍の金額であり、
それが2ステージ制の解消や各クラブへの分配金の増加に繋がっています。
2つ目は、DAZNが独占契約をしたのは有料放送の部分のみ、という点、
そして3つ目は、番組の制作をJリーグが行える(著作権がJリーグにある)点です。
2016年までの契約は、NHK、TBS、スカパー!が共同で締結し、
スカパー!が優先放送権を持っていたため、
地上波やローカル局での放送が制限されていました。
しかし今回、無料放送の契約にDAZNが関係なく、
番組の著作権をJリーグが持つことで、
ローカル局に安く試合を売れるようになったのです。
今後、ローカル局でのJリーグの放送が増えることが想定されます。
そこで今までJリーグを見ていなかった人に興味を持ってもらい、
DAZNへ誘導する、という流れができたのです。
Jリーグの地域密着の考え方に合致した形ではないでしょうか。
おわりに
楽しみにしていた試合を見れなかった方々については、
DAZNに対して怒りをぶつけたくなる気持ち、よくわかります。
私もDAZNのサービスに対して満足はしていません。
しかし、Jリーグの理念に共感し、
未来を信じて莫大な投資をしてくれたDAZNに対して、
的外れな批判が多かったのは残念です。
また、DAZNよりもスカパー!の方が良かったという人たち、気持ちはわかりますが、
莫大な放映権料について全く触れずにただスカパー!を礼賛するのはずるいです。
DAZNになるくらいなら、
2ステージ制が続いてもスカパー!のままがよかったのでしょうか。
愛するクラブへの分配金がこれまで通り、
もしくはもっと少なくなってもよかったのでしょうか。
我々が思っているよりもイノベーションのスピードというのは速いものです。
今は視聴にストレスを感じることも多いかもしれませんが、
我々顧客の声はDAZNに届いています。
改善のための努力をしてくれるはずです。
DAZNが当たり前にJリーグファンに受け入れる日が来ることを信じて、
また週末の試合を楽しみにしたいと思います。