Jリーグより、2018年シーズン以降の
J1・J2昇降格決定方法について発表がありました。

2018年以降のJ1・J2昇降格決定方法について

J1が18チーム制になったのは、
イレギュラーだった1998年を除けば2005年からで、
それから2008年まではJ1の16位とJ2の3位で
入れ替え戦を実施してきました。
(J1下位2チームとJ2上位2チームは自動昇降格)

2009年からはJ1下位3チームとJ2上位3チームが
自動昇降格する制度に変わりました。
これはJ2に参入するチームが増えてきて、
J1と同じ18チームにまで到達したことが要因として挙げられます。

そして、2012年から皆さんご存知の
J2の3〜6位のチームが参加するJ1昇格プレーオフが始まりました。
この制度が始まった理由として挙げられるのは、
J2におけるシーズン終盤のマンネリ化防止です。
当時まだJ2には降格もなく、3位以内を争えないチームにとっては
シーズン終盤が消化試合と化してしまいます。
当然客足も遠のきます。
その対策として本制度が導入されました。

そしてこの度、2018年シーズンからの
J1・J2入れ替え戦の復活が発表されました。
以前の制度と違うのは、
J1の16位のチームと来季のJ1参戦をかけて戦うのが、
J2の3〜6位によるプレーオフを勝ち上がってきたチームということです。

ころころレギュレーションが変わるのは好ましくないですが、
これはJリーグとしても苦渋の決断だと思います。
プレーオフ勝者の次のシーズンのJ1での成績が思わしくないことは、
2017年は例外ですが前々から言われていました。
また、ヨーロッパのリーグと比較しても、
トップリーグが18チームで、そのうち3チームが自動降格するのは、
割合としては少々多めです。

トップリーグから下部リーグへの降格が3チームの、
イングランド・プレミアリーグ、イタリア・セリエA、
スペイン・リーガエスパニョーラ(プリメーラ・ディビシオン)は、
いずれも20チームのリーグです。
参考になるのは、ドイツ・1.ブンデスリーガ、
ポルトガル・プリメイラリーガ(いずれも18チーム)ですが、
前者が自動降格2チーム+入れ替え戦、後者は自動降格2チームです。

以上のような理由からJリーグも冒頭のような決断をしたのだと思います。

ネットではいろいろな意見が散見されました。
その中でも多かった2つの意見を評価していきたいと思います。

J1の16位とJ2の3位の入れ替え戦でいい

一番多かった意見です。2008年以前の方式に戻せということですね。
この方式では先ほどのJ2の問題点、
シーズン終盤のマンネリ化解消という目的が果たせません。

以前とは違いJ3への降格制度ができたからマシになったとはいえ、
まだ降格するチームは1.5チーム(自動1、入れ替え戦1)です。
ドイツ2部は18チーム中下位2チームが自動降格、
ポルトガル2部はJ2と同じ22チームですが、5チームが自動降格です。
J2から3部への降格チームを増やすには裾野をもっと広げる必要があります。
J3は現在17チームになりましたが、
そのうちJ2に昇格する資格を持っているチームは
そんなに多くはありません。
この方式を支持している人たち、
シーズン終盤の選手たちのモチベーション低下、
試合のクオリティの低下、興行収入低下が予想されることに対して、
何か妙案があるのでしょうか。
少なくとも私は見たことがありません。

J2のチーム数を18チームまで減らす、という改革とセットであれば、
この方式もアリだと思います。
が、J2のチームの多くが反対するでしょうね。

J1の16位とJ2の3〜5位のプレーオフが良い

こんな意見もありました。正直妙案だと思います。
しかし、この方式だと勝ち上がったら2試合戦うことになります。
そうすると、J2だけでなく、J1の日程まで大きく影響してきます。

せっかくチャンピオンシップを廃止して日程に余裕ができたのに、
16位のチームのために2週間早く終わらせなきゃいけないとなると、
本末転倒ですよね。
だったらパラマストーナメントにすれば良いじゃないかと言われそうですが、
それだったら今回Jリーグが決めた方式と大差ないですよね。

なかなか皆が納得するレギュレーションというのは難しいです。
フェアなのが一番ですが、プロスポーツがビジネスである以上、
それだけにこだわるわけにもいきません。
いずれにせよ、いちサッカーファンとして期待するのは、
新しく決まった方式で、今まで以上のドラマが生まれることです。